剣道の鍔(つば)一覧!かっこいい鍔を種類別に紹介
トンボ柄は勝利への縁起担ぎで人気
剣道の鍔の柄として人気のトンボ柄。この人気には理由があります。トンボには「勝虫(かっちゅう)」という別名があります。また、トンボは飛ぶ時に前進のみで、後ろに下がることがありません。この2点から、トンボは武士に縁起担ぎとして大切にされてきたのです。竹刀の鍔をトンボ柄にすることで、常に前に進む心を自分に戒めてみてはいかがでしょうか?
トンボ柄の鍔には、革鍔にトンボを彫ったものや、トンボ柄の化粧鍔などがあります。
【化粧鍔】かっこいいデザインを楽しめる
値段の相場:1500円前後
サイズ:S・M・L
化粧鍔は、基本的にアクリル製で、かっこいいデザインがプリントされたものです。定番なのは、トンボや桜、不動明王、波千鳥などです。
自分好みのデザインだと稽古のモチベーションも上がりますが、あまり華美な鍔を使うと公式戦で注意をうけることがあります。そのために用意されているのが、裏面が無地になっている化粧鍔です。公式戦のときは無地の面を表にして使いましょう。
【革鍔】シンプルで渋みがある
値段の相場:2000〜数万円
サイズ:S・M・L
鍔の中では高級品です。天然のものなので、色味などがひとつひとつ異なります。革と一口に言っても、猪、サメ、水牛など素材はさまざま。特に革鍔に適している素材は水牛で、皮の厚い頭と尻の部分が上等とされています。尻の部分は粒子が細かく、磨き鍔などの高級品に使用されることが多いです。
見た目はかなりシンプルですが、オーダーして名前や好きな言葉を掘ってもらえるサービスもあります。
化粧鍔ほどの装飾性はありませんが、剣道をする者にとって「かっこいい」「憧れる」鍔と言えば革鍔でしょう。
【P鍔(プラスチック鍔)】安価で初心者向け
値段の相場:数十円〜300円
サイズ:S・M・L
鍔の中では最も安価なのがP鍔です。剣道を初めてスタートする方はP鍔からはじめる方が多いです。ひとつ100円を切るものも少なくありません。
鍔(つば)はどうやって選べば良い?
鍔の要素は値段・デザイン・丈夫さの3つ
鍔を選ぶときは、値段・デザイン・丈夫さの3つの要素を考えて決めましょう。
値段は、数十円のP鍔から数万円の革鍔まで幅広くあります。剣道にかけられる予算と相談して決めましょう。
デザインは、公式試合に出られるかどうかをチェックしてから、好きなデザインを選んでください。例えば、無地のものならば稽古にも試合にも使えます。かっこいいデザインのものや華美なものを使う場合は、裏面が無地なものを選ぶか、試合用に無地のものも用意しておきましょう。
最後に丈夫さです。よく出回っている鍔の中では、一般的にプラスチックが割れやすく、革鍔が割れにくいです。
剣道初心者・小学生・中学生向け
剣道初心者の方や、小学生中学生であれば、安価で手に入りやすいP鍔(プラスチック鍔)からスタートするのがおすすめです。まだ剣道をどれくらい続けるのかもわからない段階ですから、初めから高価なものにするよりも気軽に使えるものを選んではいかがでしょうか。
もしくは、剣道へのモチベーションを上げるためにアクリルの化粧鍔を使うのも良いでしょう。相場は1500円前後ですし、好きなデザインにすると稽古も楽しみになりそうです。
高校生・大学生・社会人・リバ剣向け
高校生や大学生であれば、稽古の時間も増えてくるので、丈夫で長持ちする革鍔を買ってみるのも良いでしょう。社会人になってから趣味で剣道をやりたい方やリバ剣(現役時代から期間を開けて剣道を再開すること)の方は、デザイン性を重視して鍔を選んでみるのもおすすめです。変わった素材の革鍔にしてみたり、柄の意味を調べて化粧鍔を選んでみたりすると、より一層剣道への愛情が深まるでしょう。
剣道の鍔(つば)に規程はあるの?
剣道の鍔についての規程は、全日本剣道連盟の「剣道試合審判規則」の「剣道試合審判細則規則」の第2条でこのように決められています。
3.つば(鍔)は、皮革または化学製品の円形のものとする。 その大きさは直径9センチメートル以内とし、竹刀に固定する。
全日本剣道連盟 剣道試合審判細則規則
https://www.kendo.or.jp/old/kendo/rules/rule2.html
また、明文化はされていませんが、華美な鍔は注意を受けることがあります。特に大きな試合では、華美な鍔を使うことは避けましょう。
剣道の鍔(つば)は自作できる?
剣道の鍔は、竹刀の中でも装飾性が高く、鍔だけをコレクションする人もいるくらいです。市販の鍔を購入して、模様や名前を自分で彫る人もいるでしょう。
しかし、自作の鍔で公式試合に出ることはおすすめしません。先ほど紹介した通り、剣道の鍔には大きさの規程がありますし、自作のものでは強度の検証などがされていないので試合中に壊れるリスクも高いからです。
自分好みの鍔を自作するのは、あくまで観賞用やコレクション用に留めておいた方が良いでしょう。
公式試合でも自分らしさを出したい場合は、武道具店で、鍔のオーダーメイドサービスや名前彫を注文してみてください。
剣道の鍔(つば)は鍔止めとセットで使う!
竹刀に鍔を入れたら鍔止めで固定
竹刀の鍔は、鍔止めと一緒に使います。竹刀の柄の方から鍔を入れ、次に鍔止めを入れて鍔の位置を固定します。
鍔止めは、ゴム、なめし革、化粧鍔止めがある
鍔止めにも種類があります。最も安価なのがゴム製のもので、高価なのはなめし革のものです。鍔と同じで、アクリル板にかっこいい柄が入った化粧鍔止めもあります。
小中学生は、ゴム製の鍔止めを使うことが多いです。下の画像の左側のものです。高校生以上は、中心がゴム、周辺が布などでできている鍔止めを使っていることが多いです。下の画像の右側です。
ゴム製の鍔止めは、100円以下のものも多く安価ですが、厚みがあり、緩くなってしまうのも早いです。
ゴムと布などの組み合わせでできている右側の鍔止めは、薄くて鍔を止める力が強いです。その分、1000円前後とゴム製の物よりも高価になります。
鍔止めは、繰り返し着脱しているとどうしても緩くなってきてしまい、買い替えが発生する道具です。毎回100円のものを買うのと1000円のものを買うのでは大きく違いますよね。
鍔止めをランクアップさせたいけれど、本当にその価値があるのか心配という方は、ぜひ武道具店で違いを確かめて検討してみてください。
一生の宝物!記念の鍔がもらえるのはこんなとき
剣道で昇段したときや、何かの大会で成績を残したとき、卒業のときなどに、記念の鍔をもらえることがあります。
自分の頑張りが認められて受け取った記念鍔は一生の宝物になるでしょう。ぜひ勝ち取れるように稽古に励んでください。
まとめ
竹刀の鍔は、直接勝敗に大きな影響を与えるものではありません。ですが、竹刀に必須の道具であり、装飾性を楽しめる部分でもあります。
価格、デザイン、丈夫さを軸に自分に合った鍔を見つけてみてください。また、市販のもの全てが大会の規程をクリアしているわけではありません。今回紹介した規程をきちんとクリアしているか、武道具屋やカタログで確認してから購入するのがおすすめです。