剣道における”段位“とは?
技術の他に、礼儀作法なども重んじられる剣道。その上達の指標としてよく用いられるのが段位です。初段、二段と上がっていきますが、求められるのは剣道の技術だけではありません。
年数制限がある?審査の仕組みと基準について
剣道の昇段審査には年齢などの制限があります。剣道の段位を上げていく上で、段位取得後の最低修行年数が決められていて、その年数修行すると、はじめて次の審査を受けられます。ここでは、剣道の昇段審査の仕組みについて解説していきます。
年齢制限はあるの?段位取得後の最低修行年数
剣道の段審査における年齢制限は意外と複雑です。「〇〇歳以上」「〇段取得後○○年以上」などの制限が組み合わせられているため、何歳で何段を取れるのか、わかりにくいこともあるでしょう。以下の表を参考にして、最短で最高位に到達するのは何歳の時なのか、確認してみましょう。
段位 | 修行年数 | 最短受審年齢 |
初段 | – | 13歳 |
二段 | 1年 | 14歳 |
三段 | 2年 | 16歳 |
四段 | 3年 | 19歳 |
五段 | 4年 | 23歳 |
六段 | 5年 | 28歳 |
七段 | 6年 | 34歳 |
八段 | 10年 | 46歳 |
昇段審査でやること
昇段審査では、
- 剣道の立合いを行う実技試験
- 木刀を使った日本剣道形の試験
- 剣道の理念や稽古方法などについて問う学科試験
の3つに合格する必要があります。受審する段位や実施団体によってその内容が異なる場合がありますので、受審する際は該当する団体のホームページなどを確認しましょう。
実技試験 | 一般的な試合形式で、およそ1~2分間の中で、他の受審者と1対1で行います。審査員の過半数の合格判定を得て合格となります。 |
剣道形試験 | ほとんどの場合、実技試験に合格することで、剣道形の試験を受けることができます。全日本剣道連盟の定める日本剣道形の要領に則って行われ、剣道の技術の高さだけでなく、理にかなった動きができているかどうかが試されます。 |
学科試験 | 五段までは、実技試験、剣道形試験の他に筆記試験を受ける必要があります。段位によって問われる内容は異なりますが、おおむね論述形式で手書きの回答が求められます。主催団体によって変わります。 |
ここまでを見ると、普段の稽古とは異なる対策が必要と感じかもしれません。
以下、ばんとう武道商店メンバーの早坂が昇段審査を受けるときに気を付けている点です。
昇段審査を受けるときには、実技試験も剣道形も筆記試験も、どれも重要です。それは審査に受かる受からないではなく、それらを勉強する中で改めて気づくことがあるためです。審査前になってから勉強するのではなく、常日頃から総合的に勉強するようにしています。 |
剣道には飛び級はない?
昇段審査においては、剣道がどれだけ強くても、原則飛び級のようなことはありません。しかし、例外もあります。全日本剣道連盟の規定を見てみましょう。
第3章 段位の審査
第17条の2
次の各号のいずれかに該当し、地方代表団体の長が特段の事由があると認めて許可した者は、前項の規定にかかわらず、当該段位を受審することができる。
1. 二段から五段までの受審を希望し、次の年齢に達した者
受審段位 年 齢
二 段 35歳
三 段 40歳
四 段 45歳
五 段 50歳
全日本剣道連盟「称号と段位のルール」 https://old2.kendo.or.jp/kendo/ranking_titles/#all
まとめると次のようになります。
- 段審査においては、地方代表団体(主に都道府県の連盟)の長が認めれば、年齢基準のみで受審することができる。
- 級審査においては、地方代表団体が定めていれば、飛び級が認められることがある。
昇段審査までにやること
審査の日程はどこで調べる?
まずは審査の日程を確認しましょう。ほとんどの場合、各自治体の剣道連盟ホームページから確認することができます。
各試験の対策
どの試験も、然るべき準備が必要です。所属する道場で審査の要点を確認し、不足すると感じる点は各団体から出されている情報や資料を確認しましょう。
申し込み
申し込みは、原則として直接連盟にするのではなく、所属する道場などの団体で集約をします。申し込み方法は所属する団体に確認するようにしましょう。受審にかかる料金もその時に徴収されます。
日本剣道形とは
剣道形とは、正式に「日本剣道形」と呼ばれ、木刀を用いて1対1で行う形稽古のことを指します。その意義は剣道技術の向上はもちろん、礼法や呼吸の習得という点で重要であると言われています。竹刀を使った剣道の稽古と合わせて、多くの剣道家が日々勉強し、磨きをかけています。
以下、ばんとう武道商店メンバーの早坂が剣道形の稽古をする時に意識している点です。
剣道形は、一つ一つの動きとその意味を考えていくことが大切といわれますが、色々な先生方から、「どんな相手とでも息を合わせられるように」と教えていただくことが多くあります。審査本番で相対するのはほとんど初対面の人ばかりですから、日ごろから相手を気持ちを揃えて稽古することも大切です。 |
まとめ
いかがでしたか。剣道を楽しむ上で一つの目標となる昇段。これから剣道を始める人も、もう剣道を始めていて昇段審査を受けようという人も、この記事が役に立つことを願っています。