竹刀の仕組みを知ろう
竹刀を選ぶ時には、竹刀のことを知っておく必要があります。まず下の図を見て、竹刀のパーツを覚えましょう。
竹刀選びは「規格」と「感覚」の2点!
竹刀選びで注意しておきたいのは、「年代別に規格があること」と「竹刀を振った時の感覚」の2つです。ここからはこの2つについて説明していきます。
年代別に竹刀の「規格」を確認
竹刀を選ぶ時、年齢に応じて考えなければならないのはサイズです。年齢によっては規格が決まっていることがあります。ここでは竹刀を選ぶサイズの基準を年代別に説明していきます。
小学生
小学生はサイズについて規定はありませんが、大体の基準として「竹刀の長さが立った時に脇の下くらいにくる」と良いでしょう。重さや太さに関しては規定は特にありませんので、剣道具屋で実際に振って自分の感覚に合ったものを選びましょう。
中学生
中学生向けの竹刀の規格は、全日本剣道連盟の定める「剣道試合・審判規則」において次のように規定されています。
男子
・長さ 114cm以下
・重さ 440g以上
・太さ(先端部)25mm以上
・太さ(ちくとう最小直径)20mm以上女子
・長さ 114cm以下
参考:剣道試合・審判規則 剣道試合・審判細則 全日本剣道連盟
・重さ 400g以上
・太さ(先端部)24mm以上
・太さ(ちくとう最小直径)19mm以上
男子中学生の規程を満たした竹刀を見てみる
女子中学生の規程を満たした竹刀を見てみる
高校生
高校生向けの竹刀の規格は、全日本剣道連盟の定める「剣道試合・審判規則」において次のように規定されています。
男子
・長さ 117cm以下
・重さ 480g以上
・太さ(先端部)26mm以上
・太さ(ちくとう最小直径)21mm以上女子
・長さ 117cm以下
参考:剣道試合・審判規則 剣道試合・審判細則 全日本剣道連盟
・重さ 420g以上
・太さ(先端部)25mm以上
・太さ(ちくとう最小直径)20mm以上
男子高校生の規程を満たした竹刀を見てみる
女子高校生の規程を満たした竹刀を見てみる
大学生・一般
大学生・一般向けの竹刀の規格は、全日本剣道連盟の定める「剣道試合・審判規則」において次のように規定されています。
男子
・長さ 120cm以下
・重さ 510g以上
・太さ(先端部)26mm以上
・太さ(ちくとう最小直径)21mm以上女子
・長さ 120cm以下
参考:剣道試合・審判規則 剣道試合・審判細則 全日本剣道連盟
・重さ 440g以上
・太さ(先端部)25mm以上
・太さ(ちくとう最小直径)20mm以上
男子大学生の規程を満たした竹刀を見てみる
女子大学生の規程を満たした竹刀を見てみる
竹刀の規程のうち、「先端部」「ちくとう最小直径」とは何を指すのかわからないという方も多いと思います。こちらの記事で紹介しているので、ぜひご確認ください。
竹刀を買う前に知りたい! サイズや重さの選び方から手入れまで
稽古では検査はありませんが、大会などによっては以上の規格を満たしているかどうかをチェックする「検量」があります。剣道具屋さんでは基本的にこの規格を満たしている竹刀を取り扱っていますが、心配な時は相談してみましょう。
竹刀を選ぶ「感覚」とは(竹の種類、つかの太さ、重心の位置の3点)
竹刀には長さ・重さ・太さの規格がありますが、それを満たしていれば、あとは自分なりの基準をもって好きな物を選ぶことができます。ここではその基準となる3つの要素を説明していきます。
竹の種類によって選ぶ
竹の品種はたくさんありますが、竹刀に使われているのは主に「真竹(まだけ)」か「桂竹(けいちく)」です。
真竹 しなりやすく、打突の感触が心地よい
真竹は他の品種よりも厚く、しなりが強いという特徴があります。打突の瞬間に、防具に吸いつくような感覚さえあります。比較的生息数が少ないため、高価なものが多いですが、一度使ってみないと分からない「打ち心地の良さ」が真竹の魅力です。
桂竹 比較的硬いが、使いやすい
桂竹は一言でいえば硬い竹です。竹質として繊維が多いことが硬さの理由で、真竹に近い強度があり、主流になりました。日本で最も多く使われているのが桂竹の竹刀です。生息数は多いため、安価で手に入れることができます。
柄(持ち手)の太さで竹刀を選ぶ
竹刀の持ち手を柄(つか)と呼びますが、ここの太さも選ぶことができます。太いタイプを「柄太(つかぶと)」、細いタイプを「柄細(つかぼそ)」と呼びます。
柄太の特徴
手の大きい人が好む傾向にあります。手が大きくない人でも、ゆとり無くしっかり握れるので、力がそのまま剣先に伝わるのが良いと好む人もいます。
柄細の特徴
手の小さい人が好む傾向があります。ある程度ゆとりのある握りで竹刀操作をしたい人も、好んで使うことがあります。
重心の位置で選ぶ
竹刀の重心の位置も選ぶことができます。
竹刀の振り方の基本はありますが、繰り出す技の数や種類は千差万別です。技のタイプと重心の位置の相性がありますので、ご紹介します。
「胴張(どうばり)型」は手元に重心がある傾向にあり、「古刀(ことう)/ 直刀(ちょくとう)型」は先端に重心がある傾向にあります。
胴張型 重心が手元に近い
重心が手元に近い方が、剣先が軽く感じられるため、連続技やフェイント等の仕掛けを多用し竹刀をよく振る人に向いています。スピード感を大切にする分、打突が軽くなることを懸念する人も少なくありません。
古刀型/ 直刀型 重心が先端に近い
重心が先端側になると重くなって振りにくいと思うかもしれません。しかし先端に重さがあることで竹刀の重さが打突に乗りやすくなり、一打一打が重くなります。よって手数が少なく、自分から仕掛けて一撃で打つ技が得意な人は、古刀型が適しているかもしれません。
上記はあくまでも一般的な例です。竹刀選びは極論好みなので、こうあるべきというものはないでしょう。
竹刀袋の選び方
竹刀を選ぶのと同じくらいこだわれるのが、竹刀袋です。竹刀袋の規定は特にありませんので、色や素材、形など、多種多様な竹刀袋が作られてきています。ここでは竹刀袋の素材と形について簡単に説明します。
より詳しくは、こちらの記事で紹介しているので、ぜひご確認ください。
竹刀袋の素材
竹刀袋の素材でよく使われるのは、ナイロン、帆布(はんぷ)、レザー(牛革製)、合成皮革です。それぞれの特徴は次のようになっています。
ナイロン
水をはじく素材であり、安くて2,000円程度と比較的安価なものが多いです。
帆布
厚みのある素材で、とても丈夫です。画像のように柄や刺繍を入れることも可能です。布製品なので、水に弱いというデメリットもあります。
レザー
ツヤ感、肌触りが良く高級感のある素材です。使うほどに馴染み、色合いもよくなります。一方天然素材のため、水や湿気に弱く手入れが必要です。
合成皮革(合皮)
ランドセルによく用いられるクラリーノという素材で出来ています。質感はレザーに近く、レザーに比べ安価です。
竹刀袋の形
竹刀袋の形は主に「肩掛け型」か「持ち手無し型」の2つがあります。移動手段や、素材の特徴を踏まえて選ぶとよいでしょう。それぞれの特徴は以下のとおりです。
型掛け型
両手を自由にしていたい場合は肩掛けがおすすめです。自転車での移動の場合は肩掛けの方が負担は少ないでしょう。
持ち手無し型
移動においては負担があるかもしれませんが、持ち手なしの方が、刺繍や柄のバリエーションが豊富です。最近の防具バッグには竹刀袋を刺せるタイプの物があり、持ち運びも楽になっています。
まとめ
いかがでしたか。竹刀を選ぶ時は規格だけでなく、素材や重心の位置を確かめましょう。選ぶ基準がわからない場合は一番スタンダートな竹刀を買って使ってみましょう。その竹刀を基準に、他のタイプの違う竹刀を振り比べてると、自分の好みがだんだんと分かってきます。自分に合った打ち心地の良い竹刀で剣道を楽しんでください。