竹刀のサイズ「28~39」とは?竹刀の長さ・重さにおける規定について
竹刀をお店で選んでいると、28~39の数字をよく見かけます。こちらでは、この数字の意味と、年齢や体格に応じた竹刀の選び方について紹介します。
竹刀の長さの規定
竹刀に表記されている「36(さぶろく)」「37(さんしち)」などの数字は、竹刀の長さを尺で表しています。1尺(=約30.3cm)、1寸(=約3.03cm)として計算すると、「36」であれば3尺6寸(約109cm)、「37」であれば3尺7寸(約112cm)となります。
※竹刀の長さ規程がこれより長い場合、竹刀の付属品(先革など)を含めた長さを指しています
竹刀の長さは、全日本剣道連盟により、年齢に応じて規定されているのでチェックしておきましょう。
◆中学生用 37(さんしち、3尺7寸、114cm 以下) ◆高校生/女性一般用 38(さんぱち、3尺8寸、117cm 以下) ◆大学生/一般用 39(さんく、3尺9寸、120cm 以下) ※試合用として ※鍔(つば)は直径9cm以内
小学校低学年以下は、公式試合における長さ規定がないため、一般的な目安を参考にしましょう。
◆幼年用竹刀 28(にはち、2尺8寸、87cm) ◆少年・少女用竹刀(低学年) 30(さんぜろ、3尺、93cm) 32(さんに、3尺2寸、99cm) ◆少年・少女用竹刀(高学年) 34(さんし、3尺4寸、105cm) 36(さぶろく、3尺6寸、111cm)
竹刀の重さの規定
竹刀の重さも、全日本剣道連盟により、年齢に応じて規定されているのでチェックしておきましょう。
◆中学生用 37 男性440g以上、女性400g以上) ◆高校生用 38 男性480g以上、女性420g以上) ◆大学生/一般用 39 男性510g以上、女性440g以上)
小学生以下の竹刀には、長さ・重さの規定はありません。しかし、竹刀を正しく振るために、重すぎるものはさけたほうが良いでしょう。
竹刀の先端部分、ちくとう部の規定
竹刀の先端部分やちくとう部にも、全日本剣道連盟により定められたサイズ規定があります。ちくとう部とは、竹刀における付属品を除いた、竹の先端部分のことです。
「先端部最小直径」とは、下の図の①にあたる部分の長さです。対辺直径といい、4枚の竹を組み合わせたときの対辺の間の長さのことです。
「ちくとう最小直径」とは、下の図の②にあたる部分の長さです。対角直径といい、4枚の竹を組み合わせたときの対角の間の長さのことです。
竹刀は、試し振りをして選ぼう!
竹刀選びで最も大切なことは、規程に沿った竹刀を使うこと。それを理解した上で、自分が振りやすいと思う竹刀を選んでいきましょう。選び方は簡単、一度剣道具屋に足を運んで、試し振りをしてみましょう。竹には個体差があるため、同じ銘柄の竹刀でも振り心地には、微妙な差があります。
なお、店頭には規定を満たさない竹刀も出回っているため、購入の際には念のため店員さんに確認すると安心です。
竹刀の値段はピンキリ!高級竹刀と安価な竹刀の差とは
この竹刀が良い!と思って値札を見ると「意外と高い……」「何本も買うのはチョット……」と感じることも少なくはないでしょう。ここからは竹刀の質と値段の関係について説明していきます。
竹刀の値段は竹の種類で決まる!
竹刀の種類には、主に「桂竹(けいちく)」か「真竹(まだけ)」があります。それぞれの特徴を踏まえ、値段が違う理由をご紹介します。
(1)桂竹 硬く安価だが、あまりしならない
現在、竹刀のほとんどが桂竹(けいちく)です。竹としては繊維の密度が濃く、硬いうえに丈夫です。一方その硬さのためしなりは比較的悪いといえます。また、生息数が多いことから、桂竹竹刀は比較的安価なものが多くなります。
(2)真竹 丈夫でしなるが、高価である
お店でいくつか竹刀を見て高いと感じたらほとんどが真竹(まだけ)です。他の品種に比べ、肉厚で弾力性があります。その丈夫さとしなり具合は打った人にしか分からない感触を生み出します。
これら2種類の竹材は、どちらが良いというわけではありません。それぞれに違った特徴や打ち心地があるため、自分の競技スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。いずれにせよ、購入するときにはその感覚を確かめる必要があります。武道具店で一度「試し打ち」をしたり、稽古で使ってみたりして、自分に合った竹刀を選びましょう。
竹刀の付属品と役割
ここでは竹刀本体以外に必要となる備品とその役割について解説していきます。
先革・中結い・柄・弦・鍔・鍔止め
竹刀には、部品が必要です。竹刀の先端から順番に名称と役割を説明します。
- 先革(さきがわ) :竹刀を構成する4本の竹を束ねる
- 中結い(なかゆい):竹刀のしなりと復元を助ける
- 柄(つか):握りやすくし、手元への衝撃を和らげる
- 弦(つる):竹同士が離れないように固定する
- 鍔(つば):手を保護する
- 鍔止め(つばどめ):鍔がずれないように止める
ここまで揃えて「竹刀を買った」といえるでしょう。
これらの部品を「竹だけ(竹刀本体)」に取り付けることを「仕組む」といい、仕組んである竹刀を「完成品」と呼びます。竹刀は、基本的に武道具屋で仕組んでもらうことができます。自分で仕組むことも可能ですが、先革に弦を通したり、柄の長さ調整することは難しいため、武道具屋でお願いしたほうが良いでしょう。
竹刀袋
竹刀を持ち運ぶためには、竹刀専用の袋が必要です。材料や形などさまざまなものがありますが、ルールはありません。自分の用途や好みに合わせて選んでください。部活やクラブに入る場合は、それぞれのチームでお揃いの竹刀袋を購入することもあるので、事前に確認しておきましょう。
竹刀の手入れ・修理 長く安全に使用するために
竹、中結い、先革、柄、弦、鍔は、壊れた場合、基本的にすべて交換できます。特に壊れやすいのが竹部分。割れたり、ささくれができたりします。また、柄は使用していけばいくほどに汚れてきますし、弦部分は切れることもあります。鍔も割れることがあります。
修理できる場合・交換が必要な場合
竹は4枚のうち1枚でも壊れると使用できませんが、ささくれは専用のやすりで修理できます。割れた場合は枚数に応じて交換が必要となります。竹以外の部品は基本的に交換が必要です。
自分でできる手入れ・お店に任せたい手入れ
竹以外の部品はやり方を覚えれば自分でも簡単に交換することができます。竹部分も自分で交換することは可能ですが、竹の「節(ふし)」が揃っていないとせっかく直しても割れやすくなってしまいますので、あらかじめ節の位置が揃った竹刀を複数購入するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?竹刀の知識を蓄えると、明日にでもお店に行ってみたくなりますね。皆様にぴったりの竹刀が見つかることを祈っています。