剣道の基本ルール
剣道のルールは大きく分けて、
- 試合形式
- 一本
- 反則
- 道具
の4つに分けることができます。
試合形式
剣道の試合は1対1の形式で、各試合で決められた試合場、時間の中で行います。
試合上について
剣道の試合場はには、以下のような規定があります。
- 原則板張りの床
- 1辺が約9〜11mの白線で囲われた正方形または長方形
- 正方形または長方形の大きさは、試合会場全体の広さと大会などで行わ れる試合の数により決められる
- 試合場の中心には白線で×印が引かれる
- 開始時などに立つ開始線は、中心の×印から均等の位置に引かれる
試合時間について
剣道の試合時間は、全日本剣道連盟の要項に「5分を基準とし、延長の場合は3分を基準」と示されています。これを基本とし、各大会ごとに決定された試合細則に応じて短くなったり、長くなったりすることがほとんどです。例えば、全日本剣道選手権大会では、準々決勝までは試合時間5分、準々決勝以降は試合時間10分で延長時間無制限となっています。
一本=有効打突とは?
剣道の勝敗は、原則として3本勝負で決められます。勝つパターンは、
- 制限時間内に二本先取した場合
- 制限時間内に一本を先取したまま試合時間が終了となった場合
- 制限時間内に勝敗がつかず、延長戦にて一本を先取した場合
の3つがほとんどとなります。
ここでは「一本」がどのように決まるのかを解説していきます。
一本かどうかを判断するのは審判
剣道の試合では、原則として3人の審判が試合者の技を目で見て一本になったか、旗をあげることによって意思表示をします。3人のうち2人以上の旗が上がれば一本と認められたことになります。なお、審判は判断を棄権することもでき、2人が棄権の表示(体の前で旗を交差させること)をし、1人が旗を上げた場合も一本となります。
一本かどうかの判断基準
剣道の技が一本になるかどうかは、全日本剣道連盟の剣道試合・審判規則に次のように定められています。
有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。
剣道試合審判規則・審判細則(第2章 第2節 有効打突)
剣道を初めて見る人のために言葉を言い換えてみると、以下のようになります。
充実した気勢 | (一般的には打突部位の名称を発声しながら)大きな声で打突していること |
適正な姿勢 | 自然体=無理な力のかかっていない姿勢のこと |
竹刀の打突部 | 竹刀の先端(4分の1) |
(体の)打突部位 | 面、小手、胴、突きの4箇所 |
刃筋正しく | 弦(竹刀に縦に張られた糸)の反対側で打突すること |
残心 | 技を繰り出した後も油断なく姿勢を保っている状態 |
力や速さもさることながら、一本(有効打突)の基準を知ることで、技を鍛錬するための一つの指標が見えてくると言えます。また、単に技を出すだけではなく、気勢や姿勢のところも評価されていくという点が、剣道の素晴らしさの一つです。
ガッツポーズ禁止?剣道における反則のルール
剣道の試合中にガッツポーズをすると反則になるというのはよくある噂ですが、あながち間違いではありません。物理的な反則もありますが、剣道には精神面に関する反則もいくつかあります。
(禁止物の使用・所持)第15条 禁止物質を使用もしくは所持し、または禁止方法を実施すること。(非礼な言動)第16条 審判員または相手に対し、非礼な言動をすること。
(諸禁止行為)第17条 試合者、次の各号の行為をすること。1. 定められた以外の用具(不正用具)を使用する。2. 相手に足を掛けまた払う。3. 相手を不当に場外に出す。4. 試合中に場外に出る。
剣道試合審判規則・審判細則(第3章 禁止行為)
第15条から第17条1項までの禁止行為は一度でも行ってしまうと即退場、不戦敗となります。第17条2項以下の項目での禁止行為は、反則1回が取られ、2回反則が認められた場合は、相手側の1本となります。
その他にも反則行為はたくさんあります。中学生、高校生など、試合者の年代によってもルールが変わってきます。詳細は、剣道試合審判規則・審判細則 第3章 禁止行為や、中体連・高体連の申し合わせ事項をを確認してみましょう。
道具に関するルール
竹刀のルール
竹刀の長さ、重さは全日本剣道連盟により、年齢に応じて以下のように規定されています。
竹刀の長さ
◆中学生用
37(さんしち、3尺7寸、114cm 以下)
◆高校生、女性一般用
38(さんぱち、3尺8寸、117cm 以下)
◆大学生/一般用
39(さんく、3尺9寸、120cm 以下)
※試合用として ※鍔(つば)は直径9cm以内
竹刀の重さ
◆中学生用
37 男性440g以上、女性400g以上
◆高校生用
38 男性480g以上、女性420g以上
◆大学生/一般用
39 男性510g以上、女性440g以上
竹刀の先端部分やちくとう部にも、全日本剣道連盟により定められたサイズ規定があります。ちくとう部とは、竹刀における付属品を除いた、竹の先端部分のことです。
防具のルール
剣道では、面、小手、胴、垂れの4つの防具を用います。各防具のどこでも打突して良いというわけではなく、以下のように定められています。
面部 | 正面および左右面(こめかみよりも上部) |
小手部 | 右小手および左小手(小手布団の部分) |
胴部 | 右胴および左胴(胴台の部分) |
突部 | 突き垂れ |
まとめ
いかがでしたか。剣道を始めるにあたりルールを知ることは重要です。またルールを知ることで剣道観戦も数倍楽しくなります。この記事の情報が少しでも役に立つことを願っています。