剣道の稽古をするとき、今やっている稽古の目的が理解できていると、上達スピードもモチベーションも格段にアップします。反対に、目的がわからない稽古は「ただしんどい」「やっても強くなれないからつまらない」と負の流れを作ってしまいがち。
部活や稽古会で行う内容には、それぞれきちんと意味があります。こちらの記事では、ばんとう武道商店のメンバーが稽古の目的を勉強してみなさまに紹介します！
ぜひチェックして、明日の稽古に臨んでみてください。
切り返しってなんのためにするの？
実はこんなにあった！切り返しの効果5選
剣道はここから始まるといっても過言ではない稽古法、それが切り返しです。なれない動きも多く、始めたばかりの頃は効果があるのかな？と不安になりますよね。切り返しには次のように５つの効果・コツがあります。寺子屋ばんとうで切り返しの効果を知って、日ごろの稽古に活用してもらえると嬉しいです。
切り返しの５つの効果・コツ
- 正しい呼吸法の習得
- 正しい刃筋と打ち方、手の内の習得
- 足さばきの強化
- 全身の筋力の強化
- 気剣体一致の打突の習得
切り返しの効果その１ 正しい呼吸法によって、打突に自然な力が入る
ここで言う正しい呼吸法とは、「初めの体当たりから次の体当たりまで息を継がず、一息で行う」ことを差します。一息で呼吸することで、気（息）を切り返しの動作に合わせることができ、無駄な力が抜けていきます。切り返しは全身運動であるため、色々ある稽古法の中でもキツい部類に入りますが、キツい中でも正しいタイミングで呼吸することで、切り返しの効果が高まります。息が上がって来た時こそ、正しい呼吸のタイミングを念頭に置くとよいです。
切り返しの効果その２ 正しい刃筋と打ち方、手の内の習得
切り返しでもう一つ意識するべきは、「正しく打つこと」です。苦しい全身運動の中で、竹刀の先にまで意識を向けるのはことさらに苦しいですが、ここまでできれば、切り返しの効果はさらに高まります。具体的には、正面から見て斜め45度から力強く手首を返す打突を意識して、正しい打ち方を覚えていきましょう。
切り返しの効果その３ 足さばきの強化
「足を使いなさい」というアドバイスをよく聞くように、剣道でまず大切と言われるのが足さばきです。切り返しにおいては、大きく、強く、速く竹刀を振る動きに合わせることを意識すると、足さばきを強化することができます。
切り返しの効果その４ 全身の筋力の強化
切り返しでは、腰や腕だけでなく、足も使っていくので、全身の筋力の強化が図れます。切り返しは剣道の動きの基本だからこそ、稽古のはじめと終わりに必ずやりますよね。全身の筋力を鍛えるには、大きく力強い切り返しを意識して行うことが大切です。
切り返しの効果その５ 気剣体一致の打突の習得
「気剣体一致」とは、気（呼吸）、竹刀、体裁きの３つが一致している状態を差します。切り返しの効果を最大限に高めるためには、これまでの４つの効果・コツをすべて意識し、動きに表現することが重要です。正しい呼吸で気持ちを集中させ、正しい軌道に竹刀を乗せて打つ。それに合った足さばきを行うことが、切り返しの目的と言えます。
もっと剣道が強くなりたい！重心を安定させる方法とは？
重心を安定させるためには、とにかく下腹部に力を入れる！
剣道の動きでは、重心を安定させることが大切です。重心が安定することで、体に無駄な力を入れずに動くことができるからです。重心を安定させる手順は4つあります。
- 背筋を伸ばす（横から体を見たときに、耳、肩、腰、くるぶしが一直線に揃う）
- 下腹部に力を入れる（おしりを締める）
- 口を「ホ」の形にする
- おなかを膨らませながら深く呼吸する
重心を安定させるポイント
重心を安定させろと急に言われても、本当に安定しているか、分からないことがほとんどかもしれません。そんな時は、次の3つをチェックしてみてください。稽古前に毎回やっていれば、試合の当日で緊張している時のルーティンにもなります！
- 下腹部を膨らませ、その圧力を保ったまま呼吸する
- 目をつぶって片足立ち→まったくふらつかなければOK
- 足を前に出すのが楽になればOK
深い腹式呼吸のメリット
深く腹式呼吸ができるようになると、剣道において以下のような変化が現れてきます。日々繰り返していくことで、重心が安定すること間違いなしです！
- 正しい姿勢で打突できるようになる
- 呼吸が深くなることで、発声が充実してくる
- 無駄な力が抜け、竹刀操作が安定する
